【雑学】
CO2により地球が温暖化することは1896年に初めて提唱されたが、この時、温暖化は人類にとって好都合だと考えられていた。
【解説】
大気中の二酸化炭素が増えることによって地球温暖化が生じるという考察を、科学者として初めて提唱したのは、スウェーデンのスヴァンテ・アウグスト・アレニウス(Svante August Arrhenis)である。
初公表は1896年なので、かなり古くから発見されていたことになる。
アレニウスは赤外線による月の観測データから、大気中の二酸化炭素が赤外線を吸収する量を計算し、
二酸化炭素の量が等差数列的に増大すると、温度はほぼ算術級数的に増大する
と提唱した。
しかし、この理論は1960年代ごろまでは受け入れられなかった。
なぜならば、地球の温度変化(氷期と間氷期の周期的繰り返し)は、地球の軌道変化によるというのが定説だったためである。
これに対しアレニウスは、人類が排出する二酸化炭素の量は、再び氷期が訪れるのを阻止できるほど多いと返答した。
そしてこのとき、「人口が急激に増加している現代においては、地球は温暖化した方が食料生産のために有利になる」とも述べ、地球温暖化を好意的に評価していたことがわかる。
なお現在では、地球の温度は、地球の軌道変化と二酸化炭素などの温室効果ガスの両方の影響があると考えられている。
【ちなみに】
アレニウスは1903年に、「電解質溶液理論の研究」でノーベル化学賞を獲得している(ノーベル賞の授与が1901年からなので、史上3人目)。
この受賞の根拠になった150ページもの論文は、1884年に学位論文としてウプサラ大学に提出されているが、当時の教授陣はこの論文の価値を見抜けなかった。
イオンや電離の存在を明らかにしたこの論文の重要性は(今となっては)明らかであるが、ノーベル化学賞を授与された経緯に関してはフェアだったとは言い難いかもしれない。
なぜならば、アレニウスはノーベル賞の創設メンバーであり、敵対する科学者の受賞を妨害する工作も行っていたためである(工作が成功したとは言っていない)。
【参考文献】
「スヴァンテ・アレニウス」(2024年8月4日 19:09 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』
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